子どもの癇癪に手がつけられない!癇癪が起こる原因や対策方法について【OTが解説】

子ども癇癪 気になる行動

「子どもが癇癪を起こすと手がつけられない…」
「どう接すれば落ち着いてくれるの?」
「子どもの癇癪がひどくて困っている」

子どもの癇癪が続くと、保護者も心身ともに疲れてしまいますよね。「私の関わり方が悪いのかな…」と悩んでしまう方も少なくありません。

本記事では、子どもの癇癪について以下の内容を解説します。

原因を知り、適切な対処法を身につけることで、子どもも保護者も安心して過ごせる時間が少しずつ増えていきます。ぜひ最後までご覧ください!

癇癪(かんしゃく)とは?

癇癪(かんしゃく)とは、自分の気持ちをうまく整理できず、大声で泣いたり怒ったり、物を投げたりする状態のことです。

「わがままだから」「しつけが足りないから」と思われることもありますが、多くの場合は感情をコントロールする力が発達の途中であることが関係しています。

特に2〜5歳頃は、自分の思いが強くなる一方で、それを言葉で伝えたり、気持ちを切り替えたりする力はまだ十分ではありません。

そのため、思い通りにならない場面で癇癪を起こすことがあります。

子どもの癇癪は成長の過程で多く見られる行動ですが、適切な関わり方を積み重ねることで、少しずつ気持ちを整理する力を育んでいくことが大切です。

子どもの癇癪はいつまで?

子どもの癇癪は、2〜4歳頃に最も多く見られ、成長とともに少しずつ落ち着いていくことが一般的です。

特に5〜6歳頃になると、気持ちを言葉で伝えたり、我慢したりする力が育ってくるため、癇癪を起こす頻度は減っていく傾向があります。

ただし、成長には個人差があるため、「○歳になれば必ずなくなる」というものではありません。

また、小学生になっても、疲れや睡眠不足、強いストレス、発達特性などが影響して癇癪を起こすこともあります。

だから、癇癪を起こすことが必ずしも、発達が遅れていたり、間違った教育をしているとは限りません。

子どもの癇癪が起こる原因とパターン

子どもの癇癪には、必ず何らかのきっかけがあります。

保護者からすると「急に怒り出した」と感じることもありますが、子どもなりに「思い通りにならなかった」「気持ちをうまく伝えられなかった」などの理由が隠れていることが少なくありません。

癇癪を減らすためには、まず原因を知り、どのような場面で起こりやすいのかを把握することが大切です。主な原因やパターンは以下の通りです。

それぞれ原因や適切な関わり方が異なるため、一つずつ詳しく見ていきましょう。

要求が通らなかった時

子どもは、「おもちゃが欲しい」「もっと遊びたい」など、自分の要求が通らなかった時に癇癪を起こすことがあります。

特に幼児期は、自分の気持ちを言葉で伝えたり、思い通りにならない状況を受け入れたりする力がまだ十分ではありません。

そのため、不満や悔しい気持ちをうまく整理できず、泣いたり怒ったりすることで感情を表現しようとします。

遊びを中断された時

子どもは遊びに夢中になっている時ほど、「ご飯だよ」「お風呂に入ろう」などと急に中断されると、癇癪を起こすことがあります。

遊びは子どもにとって大切な活動であり、自分の世界に集中している状態です。

そのため、気持ちの切り替えが間に合わないまま終わりを迎えると、強い不満や混乱につながってしまいます。

特に幼児期は、時間の感覚や予定を理解することがまだ難しく、「急に終わる」という出来事を受け入れにくい時期です。その結果、泣いたり怒ったりして気持ちを表現することがあります。

学校・保育園などから帰宅した時

学校や保育園から帰宅した直後は、癇癪が起こりやすい時間帯の一つです。

子どもは集団生活の中で頑張って過ごしており、心も体も疲れています。その状態で「手を洗って」「宿題をしよう」「お風呂に入って」など、次々とやることを伝えられると、大きなストレスを感じてしまうことがあります。

また、学校や保育園では気持ちを我慢して過ごしている子どもほど、安心できる家庭で感情があふれやすくなることもあります。

そのため、帰宅後に癇癪を起こすのは、わがままというよりも疲れやストレスが重なっているサインである場合も少なくありません。

ゲームで負けた時

椅子取りゲームや鬼ごっこ、カードゲームなどで負けた時に、癇癪を起こす子どもも少なくありません。

子どもは「勝ちたい」という気持ちが強い一方で、負けた悔しさや悲しさを受け止める力はまだ発達の途中です。

そのため、思い通りの結果にならないと、感情が一気にあふれてしまうことがあります。

また、幼児から小学校低学年頃までは、「負けた」という事実を受け入れたり、気持ちを切り替えたりすることが難しい時期でもあります。

そのため、負けた悔しさをうまく表現できず、泣いたり怒ったりして癇癪につながることがあるのです。

注意・叱られた時

子どもは、保護者や先生から注意されたり叱られたりした時に、癇癪を起こすことがあります。

特に自分では悪気がなかった場合や、突然強い口調で注意された場合は、「怒られた」という気持ちが先に大きくなり、内容を理解する余裕がなくなってしまいます。

また、幼児期は自分の気持ちを整理したり、失敗を受け入れたりする力がまだ十分に育っていません。

そのため、悔しさや悲しさ、不安といった感情が一気にあふれ、泣いたり怒ったりすることで気持ちを表現することがあります。

イヤイヤ期などの発達特性

イヤイヤ期や発達特性が影響して、癇癪が起こりやすくなることもあります。

例えば、2〜3歳頃のイヤイヤ期では、「自分でやりたい」という気持ちが強くなる一方で、思い通りにならない場面では感情をうまく整理できず、癇癪につながることがあります。

また、発達特性のある子どもの中には、予定の変更が苦手だったり、感覚の刺激に敏感だったりして、気持ちの切り替えに時間がかかることがあります。

そのため、環境の変化や予想外の出来事をきっかけに、癇癪が起こることも少なくありません。ただし、癇癪があるからといって、必ずしも発達障害とは限りません。

年齢や生活環境、子どもの性格など、さまざまな要因が関係しているため、焦らず成長の様子を見守ることも大切です。

【イヤイヤ期とは?】
幼児期の子どもが成長するにつれて、自己主張が激しくなっていく現象。2歳前後でよく見られ、3歳になると落ち着くと言われています。

癇癪を減らすための関わり方

子どもの癇癪を完全になくすことは難しいですが、普段の関わり方を少し工夫することで、気持ちを切り替えやすくなったり、癇癪の頻度を減らしたりすることは期待できます。

大切なのは、その場しのぎで対応するのではなく、子どもの発達段階に合わせて少しずつ「気持ちを整理する力」を育てていくことです。

家庭でも取り入れやすい関わり方は、以下の通りです。

代替案を出す

子どもの要求をすべて受け入れてしまうと、「泣けば思い通りになる」と学習してしまうことがあります。

一方で、頭ごなしに「ダメ」と伝えるだけでは、子どもも気持ちを切り替えにくくなってしまいます。そのような時は、子どもの要求を否定するのではなく、代わりの提案をしてみましょう。

例えば、「今日はお菓子は買えないけれど、お家で一緒におやつを食べようね」「あと1回滑り台を滑ったら帰ろうね」など、子どもが納得しやすい選択肢を示すことが大切です。

代替案を繰り返し経験することで、「思い通りにならなくても別の方法がある」と考えられるようになり、少しずつ気持ちを切り替える力を育てていくことにつながります。

タイマーを使い見通しを立てやすくする

子どもは、遊びを急に中断されると気持ちを切り替えられず、癇癪につながることがあります。

そのため、「あと5分で終わりだよ」「タイマーが鳴ったらご飯にしようね」など、事前に終わりの時間を伝えておくことがおすすめです。

特に、タイマーを使うと時間の経過を目で見たり音で確認したりできるため、子どもも心の準備がしやすくなります。

最初はすぐに切り替えられないこともありますが、繰り返し経験することで、「終わりが来ること」を少しずつ受け入れられるようになります。

無理に遊びをやめさせるのではなく、見通しを持ちながら気持ちを切り替えられる環境を整えてあげることが大切です。

協力や小さな競争を設ける

勝ち負けのある遊びで癇癪を起こしやすい子どもには、競争を避け続けるのではなく、少しずつ成功体験を積み重ねていくことが大切です。

最初は保護者と協力してゴールを目指すゲームや、「一緒に10個集めよう!」など、勝ち負けのない遊びから始めてみましょう。

慣れてきたら、簡単なルールのゲームや負けても終わりではない遊びを取り入れ、少しずつ競争する機会を増やしていきます。

繰り返し経験することで、「負けても大丈夫」「次も頑張ってみよう」と気持ちを切り替える力が育ちやすくなります。

無理に勝敗へ慣れさせるのではなく、子どもの成長に合わせて少しずつ経験を積み重ねていくことが大切です。

子どもと癇癪について向き合い、約束する

子どもには環境調整や対策をするだけでなく、癇癪について向き合うことも大事です。癇癪が起こりそうな場面において、約束をするのが効果的です。

「ゲームは〇時までだよ、ご飯の時は怒らないと約束できる?」と問いてみましょう。

子どもは事前にお約束することで、見通しを立てて遊ぶことができます。ポイントは、子どもが大好きな遊びの時間に約束をすることです。

わこう
わこう

絵カードで見やすくしておくとより効果的ですよ

癇癪を起こした時に取るべき対応

子どもが癇癪を起こした時は、無理に泣き止ませたり、言い聞かせたりしようとする必要はありません。

まずは子どもや周囲の安全を確保し、気持ちが落ち着くまで見守ることを優先しましょう。

もし興奮が強く、自分や周囲を傷つけてしまう恐れがある場合は、刺激の少ない別室へ移動したり、人混みから離れたりしてクールダウンできる環境を整えることも大切です。

静かな場所で落ち着く時間を作ることで、少しずつ感情を整理しやすくなります。

癇癪が落ち着いてから、「何が嫌だったのかな?」と一緒に振り返ることで、次に同じような場面があった時の対応も考えやすくなります。

まずはその場を落ち着いて乗り切ることを意識しましょう。

癇癪を起した時にやってはいけないこと

子どもが癇癪を起こすと、「早く泣き止ませたい」と焦ってしまうものです。

しかし、その場しのぎの対応を繰り返してしまうと、かえって癇癪が長引いたり、同じ場面で繰り返したりすることがあります。特に、次のような対応には注意が必要です。

【癇癪を起した時にやってはいけないこと】

子どもの気持ちに寄り添いながらも、適切な距離感で関わることが大切です。それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。

癇癪を起こしている時に叱る

癇癪を起こしている最中に強く叱ると、子どもはさらに興奮し、泣き声が大きくなったり、癇癪が長引いたりすることがあります。

感情が高ぶっている状態では、保護者の言葉を冷静に受け止めることが難しいためです。

また、大人が感情的になると、子どももその雰囲気に影響され、さらに気持ちをコントロールしにくくなります。

癇癪を起こしている時は無理に言い聞かせようとせず、まずは子どもが落ち着ける環境を整えることを優先しましょう。

伝えたいことがある場合は、気持ちが落ち着いてから短く分かりやすく話すことが大切です。

子どもの要求に毎回答える

子どもの癇癪を早く落ち着かせたいあまり、毎回要求を受け入れてしまうと、「泣けば思い通りになる」と学習してしまうことがあります。

その結果、同じような場面で癇癪を繰り返しやすくなる可能性があります。

もちろん、子どもの気持ちを受け止めることは大切です。しかし、気持ちに寄り添うことと、要求をすべて受け入れることは別です。

安全面などを考慮して難しいことは、落ち着いた口調で一貫して伝えましょう。そのうえで、代わりにできることを提案すると、子どもも気持ちを切り替えやすくなります。

わこう
わこう

子どもは本当に素直です。癇癪を起して試し行動や利用してきようとします。
ここで大事なのは、子どものペースに合わせ過ぎないことです。

子どもの癇癪は成長の過程

子どもの癇癪について解説しました。まとめると以下の通りです。

【本記事のまとめ】

  • 癇癪は感情を表現・整理する力が未熟なために起こる
  • 子どもの成長とともに、癇癪は徐々に落ち着いてくる
  • 癇癪が起こる原因を知ることで、適切に対応しやすくなる
  • 日頃の関わり方を工夫すると、気持ちを切り替える力が育つ
  • 癇癪中は安全確保とクールダウンを優先して対応する
  • 感情的に叱ったり、要求を受け入れ続けたりしないこと

子どもの癇癪は、心や感情が成長していく過程で見られることの多い姿です。決して、あなたの教育方法が間違っているとは限りません。

なぜ癇癪を起すのか、そのパターンや特性を理解して改善していくことが大切です。大変だとは思いますが、本記事を参考に、関わり方の工夫をしていきましょう。

それでは最後までご覧いただき、ありがとうございました。

子どもの癇癪で悩みがあれば専門機関に相談を

子どもの癇癪が続くと、「自分の関わり方が悪いのかな…」と、一人で悩みを抱え込んでしまうこともありますよね。

しかし、子育てに正解はありません。保護者だけで頑張ろうとせず、困った時には周囲の力を借りることも大切です。

家庭で工夫を続けても癇癪が改善しない場合や、日常生活に支障が出るほど頻繁に起こる場合は、専門機関へ相談してみるのも一つの方法です。

「相談」と聞くと、重い障害がある子どもだけが利用する場所というイメージを持つ人もいるかもしれません。

しかし、発育センターや児童発達支援、放課後等デイサービスなどでは、遊びや日常生活を通して子どもの成長をサポートしてくれることもあります。

一人で抱え込まず、困った時は相談だけでも構いません。子どもに合った関わり方を一緒に考えてもらうことで、保護者の不安や負担も軽くなっていくでしょう。

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