「子どもがご飯中に落ち着きがない…」
「食事中に立ち歩いたり、遊び始めたりして困っている…」
「何度注意しても、じっと座って食べてくれない…」
このようなお悩みを抱えている親も多いのではないでしょうか?
特に、2歳や3歳、4歳頃の子どもや、小学生になっても食事中にじっとできない場合、「育て方が悪いのかな?」「発達に問題があるのかな?」と不安になることもありますよね。
しかし、子どもが食事中に落ち着かないのには、姿勢や環境、感覚、発達特性など、さまざまな理由が隠れていることがあります。 本記事では、以下のことについて解説します。
【この記事で分かること】
子どもの行動には、必ず何らかの理由があります。原因を1つずつ見直しながら、子どもが安心して食事に参加できる環境を整えていきましょう!
食事中にじっとしていられない時期はいつまで?
子どもが食事中に離席することなく、落ち着いて座って食べられるようになる時期には個人差がありますが、一般的には3歳頃から少しずつ食事に集中できる時間が長くなっていきます。
ただし、これはあくまでも一般的な発達の目安です。 環境や姿勢、感覚の特性、発達特性などが影響し、食事中にじっとしていられないこともあります。
そのため、「何歳になったから大丈夫」と年齢だけで判断するのではなく、子どもの発達に合わせて温かく見守っていくことが大切です。
子どもが食事中に落ち着かない原因
子どもの落ち着きのなさは、成長とともに少しずつ改善していくことが多いです。
しかし、「落ち着いてくる時期まで見守りましょう」と言われても、毎日の食事に苦労している保護者にとっては簡単なことではありませんよね。
実は、子どもが食事中に落ち着かない背景には、発達段階だけでなく、環境や姿勢、食事内容などさまざまな要因が関係していることがあります。
そのため、「そのうち落ち着くだろう」と待つだけではなく、子どもが食べやすい環境を整えてあげることも大切です。
食事中に落ち着かない主な原因は、以下の通りです。
【食事中に落ち着かない原因】
・気が散りやすい環境になっている
・姿勢が悪い/動作獲得が不十分
・食事のハードルが高い
・感覚不足・遊びの消化不良
・発達特性が関係している
まずは、お子さんに当てはまるものがないか確認しながら、一つずつ見ていきましょう。
気が散りやすい環境になっている
子どもが食事中に落ち着かない時は、まず環境を見直してみることが大切です。
例えば、 テレビがついている おもちゃが見える場所にある 家族の出入りが多い 周囲の音や会話が気になりやすい など、食事に集中しづらい環境になっていることがあります。
特に、2歳や3歳、4歳頃の子どもは興味のあるものに注意が向きやすいため、少しの刺激でも席を立ってしまうことがあります。
まずはテレビを消したり、おもちゃを片付けたりして、食事に集中しやすい環境を整えてみましょう。環境を変えるだけで、子どもが落ち着いて食事に参加できることもありますよ!
姿勢が悪い/動作獲得が不十分
そもそも、姿勢が悪いと子どもはご飯を食べることに集中しにくくなり、疲れやストレスを感じやすくなってしまいます。
すると、「早く食事を終わらせたい」「体を動かしたい」という気持ちが強くなり、落ち着きのない行動につながるのです。
特に未就学児では、姿勢をうまく保てなかったり、足の裏が床についていなかったりすることも少なくありません。
また、上手に食べれないのもストレスになることがあります。よくあるのは、ご飯やおかずをスプーンやフォークなどで上手く救えないことです。
どこがハードルが高いように感じているかを、1つ1つ動作確認をしていく必要があります。
食事のハードルが高い
子どもが食事中に落ち着かない原因として、「食事そのものが難しすぎる」ということも考えられます。
例えば、 完食できない量だったり、苦手な食べ物ばかりが入っていたりすることです。
大人でも、毎日ハードな食事をしていると嫌になっていきますよね。
子どもも同じで、食事のハードルが高いと集中力が切れ、立ち歩いたり遊び始めたりすることがあります。
よく、栄養面ばかりを考えて子どもが食べきれない量にご飯を作りがちです。 栄養面も大事ですが、食事をスムーズに進めるためにも、子どもが完食できる量に調整してみてはいかがでしょうか。

弁当が毎日同じものばかりで、なかなか手をつけようとしない子もいました。
感覚不足・遊びの消化不良
十分に体を動かして遊べていなかったり、感覚刺激が不足していたりすると、食事中にじっとしていられないことがあります。
特に、走る、跳ぶ、登るなどの全身を使った遊びが不足すると、子どもは「もっと動きたい!」という欲求を抱えたまま食事の時間を迎えてしまいます。
すると、席を立ったり、体を揺らしたりして、自分で感覚刺激を得ようとすることがあるのです。
食事中にじっとできない場合は、「食べ方」に注目するだけでなく、日中に十分遊べていたかを振り返ってみることも大切です。

子どもの成長で、「感覚統合」という考え方があります。
子どもを育てる上で知っておくと良いです。
発達特性が関係している
子どもが食事中にじっとできない原因として、発達特性が関係していることもあります。
例えば、ADHD(注意欠陥多動性障害)の傾向がある子どもは、興味のあることに注意が向きやすく、食事よりも周囲の刺激に意識が移ってしまうことがあります。
また、ASD(自閉スペクトラム症)の傾向がある子どもは、食感やにおいなどに敏感で、食事そのものに苦手意識を持っていることもあります。
しかし、食事中に落ち着きがないからといって、必ずしも発達障害があるとは限りません。 子どもの行動にはさまざまな理由があり、発達のスピードにも個人差があります。
大切なのは、「どうして座っていられないの?」と責めるのではなく、「何か困っていることはないかな?」という視点で、子どもの気持ちや特性を理解していくことです。
子どもの食事をスムーズに進めるための5つの手順
子どもがご飯中に落ち着きがない場合は、無理に叱ったり、急かしたりするのではなく、子どもが安心して食事に参加できる環境を整えることが大切です。
食事をスムーズに進めるためのステップは、以下の通りです。
【子どもの食事をスムーズに進めるための5つの手順】
・ステップ①:環境調整
・ステップ②:食事の声かけ・準備
・ステップ③:姿勢の調整
・ステップ④:適度に声かけを挟む
・ステップ⑤:片づけを促す
子どもの発達や性格によって合う方法はさまざまです。できそうなことから少しずつ取り入れてみましょう!
ステップ①:環境調整
上記でも述べましたが、子どもが食事中にじっとできない時は、最初に環境を変えていく工夫をしましょう。
【環境をみるポイント 】
・子どもがよく気になるものはないか
・テレビの音や周囲が騒がしくないか
・食卓が散らかっていないか
・テーブルと椅子の高さが適切か
・大人の出入りが激しくないか
・食事用具が子どもに適しているか
特に3~4歳はお箸を使ったり、大人と同じような食器に移行したりするため、工夫が必要です。
例えば、食べこぼし対策のために縁のある容器を使ってみたり、3指握り(親指・人差し指・中指で握る動作)でも疲れにくいプラスチックやシリコン製にするなどが挙げられます。
ステップ②:食事の声かけ・準備
食事を始める前の準備や声かけも、スムーズに食事を進めるための大切なポイントです。
突然「ご飯だから座って!」と言われても、遊びに夢中になっている子どもは気持ちを切り替えることが難しいことがあります。
そのため、 「あと5分でご飯だよ!」 「ブロックを片付けたらご飯にしようか!」 など、事前に声をかけて見通しを持たせてあげることがおすすめです。
また、一緒に食器を運んだり、箸を並べたりするなど、食事の準備に参加してもらうことで、自然と食事モードに切り替わりやすくなります。
「食べさせる」のではなく、「一緒に食卓を作る」という視点も大切にしていきましょう!
ステップ③:姿勢の調整
食卓を整えた後は、姿勢をみてみましょう。見るポイントは以下の通りです。
| 見るポイント | 改善方法 |
|---|---|
| 姿勢を真っすぐに保てているか | ・椅子の後ろにクッションを敷く ・手すりつきの椅子を用意する |
| ご飯を食べる時に肩やアゴが上がっていないか | ・肘や手首だけで食べ物を運ぶように補助・教える ・机・椅子の高さの調整 |
| お箸やスプーンなどはちゃんと握れているか | ・ 握り方の援助 ・万能カフや補助箸などの自助具を活用してみる |
| 体と机の位置が離れすぎていないか | ・距離を近づける ・離れていては食べづらいことを認識させる |
| 非利き手で茶碗やお皿を支えられているか | ・持ちやすい皿や茶わんを選ぶ ・持つための動作を教える |
| 足底(足の裏)が床についているか | ・足が床につくように、踏み台を用意する ・椅子や机の高さを調整する |
すぐにできることといえば、食べ方を教えることと、テーブルや椅子などの環境を整えることです。
しかし、これらは発達の遅れや身体障害の影響により、食べ方がなかなか上達できないこともあると思います。
その際にはさまざまな専門機関で訓練を通じて、上達させることも可能です。
ステップ④:適度に声かけを挟む
食事中にじっとできない子どもには、適度に声かけを挟みながら進めていくことも大切です。
例えば、「あとどのくらいで終わるかな?」「お味噌汁を飲んだらごちそうさまだね!」と終わりを伝えることで、子どもは見通しを持ちやすくなります。
また、「今日の学校はどうだった?」「昨日の公園は楽しかった?」など、食事を楽しむための雑談を交えるのもおすすめです。食事のことばかりに意識が向くと、プレッシャーを感じてしまう子どももいるためです。
さらに、「スプーンで食べる?フォークにする?」など、子どもと一緒に食べ方を考えることも良いでしょう。
一方で、口の周りが汚れていないか確認したり、こぼした時は一緒に拭いたりするなど、衛生面への気遣いも忘れてはいけません。
ステップ⑤:片づけを促す
食事が終わった後は、片づけまで含めて「食事」と考えることが大切です。
例えば、 食器を流し台まで運んだり、テーブルを拭いたりなど、子どもにできる役割を少しずつお願いしてみましょう。
「自分でできた!」という達成感は、次の食事への意欲や自立にもつながります。また、家族の一員として食事に参加しているという実感を持ちやすくなるでしょう。
もちろん、最初から完璧にできる必要はありません。
「お皿を運んでくれてありがとう!」 「最後まで一緒に片づけができたね!」 と、小さな頑張りを認めながら、楽しい食卓の時間を作っていきましょう。
食べることだけでなく、準備や片づけも含めて、子どもの大切な経験になっていきますよ!
1つ1つ原因を見直せば食事はスムーズに進められる
子どもの食事中の落ち着きのなさについて解説しました。まとめると以下の通りです。
【本記事のまとめ】
・食事は3〜4歳頃から徐々に落ち着いてくる
・食事中に落ち着かない原因には、環境や姿勢、感覚、発達特性などが関係している
・食事をスムーズに進めるには、環境調整や声かけなど、安心して参加できる工夫が大切
・厳しく叱ったり急かしたりするよりも、子どもの困りごとに目を向けることも大切
子どもの行動には、必ず何らかの理由があります。 焦って「食べさせる」ことを目標にするのではなく、家族みんなで楽しい食卓を作っていきましょう!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
困りごとがあるなら専門家へ相談してみよう
子どもの食事中の困りごとが続くと、「自分の関わり方が悪いのかな…」と、一人で悩みを抱え込んでしまうこともありますよね。
しかし、子育てに正解はありません。保護者だけで頑張ろうとせず、困った時には周囲の力を借りることも大切です。
もし、家庭で工夫をしてもなかなか改善しない場合は、療育機関や専門家に相談してみるのも1つの方法です。
「専門家に相談する」と聞くと、重度の発達障害や身体障害のある子どもが利用するものだとイメージする方もいるかもしれません。
しかし、病院だけでなく、発達支援センターや児童発達支援、放課後等デイサービスなどでは、遊びや日常生活への参加を通して、子どもの成長を支える支援を受けられることもあります。
また、困りごとが軽いうちから相談することで、子どもに合った関わり方や環境の工夫を一緒に考えてもらえることも少なくありません。
一人で抱え込まず、「ちょっと相談してみようかな」という気持ちで大丈夫です。 困ったことがあれば、相談だけでも良いので、周囲の力を頼りながら、子どもに合った方法を一緒に見つけていきましょう!

